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リセット
Penitente
F.A.SS
-
「鋼の錬金術師」の二次創作
【基本のエドロイSS】
-
原作をベースにした、エドロイSSです。
時系列順に並んでいます。
(下に行くほど後の出来事になります。)
誰がために
- (まだロイの片想い)08.06.25up
贈
- (両想いでもお互い気付かない)08.6.26up
水の中の月
- (告白)08.6.29up
Turn R
Act.1
Act.2
Act.3
Turn E
Act.1
Act.2
Act.3
どうしようもなく不器用な男
- 08.6.29up
寂
- 08.6.30up
触
- (初めての触れ合い。大佐が咥えるのみ)08.7.1up
蝕
- (初体験)08.7.11up
Act.1
Act.2
蹟(しるし)
- (大佐から初めてのキスマーク) 08.7.16up
シチュー
- (大佐が熱を出さなくなったあたり)08.7.16up
温
- (大佐が壊れてます。ちょっとギャグ)08.7.22up
フソク
- (豆がいないと闇がぶり返す大佐)08.7.22up
摂取
- (「フソク」の続き。相変わらず闇に囚われている大佐と帰ってきた豆)
08.7.22up
Turn R
Act.1
Act.2
Turn E
Act.1
Act.2
Act.3
幕間
- (ごめんなさいなギャグ)
08.8.8up
彩
- (ヤってるときのエドVer. 「虚」と対になってます。)
08.8.8up
虚
- (ヤってるときのロイVer. 「彩」と対になってます。)
08.8.8up
慈
- (「虚」の続き。どーしようもなくグダグダなロイ)
08.8.8up
明
- (兄さんと酔ってご機嫌の大佐。未然ジェラシー)08.10.25up
嫉
- (鬼畜い兄さん♪後、ヘタレ)08.10.25up
嫉 Act.1
嫉 Act.2
嫉 Act.3
【遊 シリーズ】
-
パラレル。税務署長のロイと税理士のエド。
このSSは途中からRPG方式で、「遊」(ロイエドVer.)と「遊 脇道」(エドロイVer.)に枝分かれします。
但し、「遊 脇道」は「遊」本編と「遊 番外編」数本を包括した入れ籠構造になっておりますので、
「遊」→「遊 番外編」→「遊 脇道」の順に読まれることをお奨めします。
その順番にupして行きます。
「遊」vol.1〜vol.9
- 「遊」「遊 脇道」とも枝分かれするまで共通です。
「遊」vol.1
- 08.11.12up
「遊」vol.2
- 08.11.12up
「遊」vol.3
- 08.11.13up
「遊」vol.4
- 08.11.13up
「遊」vol.5
- 08.11.13up
「遊」vol.6
- 08.11.16up
「遊」vol.7
- 08.11.16up
「遊」vol.8
- 08.11.16up
「遊」vol.9
- 08.11.16up
「遊」 Vol.10以降(ロイエドVer.)
-
ロイエドがお嫌いな方も、これはこの後のエドロイver.がこの「遊」のロイエドバージョンを含んだものですので、お読み戴ければ幸いと存じます。
「遊」vol.10
- 08.11.19up
「遊」vol.11
- 08.11.19up
「遊」vol.12
- 08.11.19up
「遊」vol.13
- 08.11.19up
「遊」vol.14
- 08.12.7up
「遊」vol.15
- 08.12.7up
「遊」vol.16
- 08.12.7up
「遊」vol.17
- 08.12.7up
「遊」vol.18
- 08.12.7up
「遊」vol.19
- 08.12.7up
「遊」vol.20
- 08.12.7up
「遊」vol.21
- 08.12.12up
「遊」vol.22
- 08.12.12up
「遊」vol.23
- 08.12.12up
「遊」vol.24
- 08.12.12up
「遊」vol.25
- 08.12.12up
「遊」vol.26
- 08.12.12up
「遊」vol.27
- 08.12.12up
「遊」vol.28
- 08.12.12up
「遊」vol.29
- 08.12.12up
「遊」vol.30
- 08.12.12up
「遊」vol.31
- 08.12.16up
「遊」vol.32
- 08.12.16up
「遊」vol.33
- 08.12.16up
「遊」vol.34
- 08.12.16up
「遊」vol.35
- 08.12.17up
「遊」vol.36
- 08.12.17up
「遊」vol.37
- 08.12.17up
「遊」vol.38 (これで完結です)
- 08.12.17up
「幻」 (「遊」 番外編)(エドロイ)
- 08.12.17up
- (旧テレビアニメのラストから映画シャンバラのその後。ロイVer.)
「惑」 (「遊」 番外編)(エドロイ)
- 08.12.17up
- (旧テレビアニメのラストから映画シャンバラのその後。エドVer.)
「遊 脇道」(エドロイVer.)
- 「遊」Vol.10以降
こちらはエドロイバージョンのうえ、ロイが精神的に壊れてしまっています。
しかも暗いです。
弱いロイが厭だという方はお読みならないで下さい。
「遊 脇道」Act.1
- 08.12.17up
「遊 脇道」Act.2
- 08.12.19up
「遊 脇道」Act.3
- 08.12.19up
「遊 脇道」Act.4
- 08.12.19up
「遊 脇道」Act.5
- 08.12.19up
「遊 脇道」Act.6
- 08.12.19up
「遊 脇道」Act.7
- 08.12.21up
「遊 脇道」Act.8
- 08.12.21up
「遊 脇道」Act.9
- 08.12.21up
「遊 脇道」Act.10
- 08.12.21up
「遊 脇道」Act.11
- 08.12.21up
「遊 脇道」Act.12
- 08.12.21up
「遊 脇道」Act.13
- 08.12.21up
「遊 脇道」Act.14
- 08.12.21up
「遊 脇道」Act.15
- 08.12.21up
「遊 脇道」Act.16
- 08.12.23up
「遊 脇道」Act.17
- 08.12.23up
「遊 脇道」Act.18
- 08.12.23up
「遊 脇道」Act.19
- 08.12.23up
「遊 脇道」Act.20
- 08.12.23up
「遊 脇道」Act.21
- 08.12.23up
「遊 脇道」Act.22
- 08.12.23up
「遊 脇道」Act.23
- 08.12.23up
「遊 脇道」Act.24
- 08.12.23up
「遊 脇道」Act.25
- 08.12.23up
「遊 脇道」Act.26
- 08.12.24up
「遊 脇道」Act.27
- 08.12.24up
「遊 脇道」Act.28
- 08.12.24up
「遊 脇道」Act.29
- 08.12.24up
「遊 脇道」Act.30
- 08.12.24up
「遊 脇道」Act.31
- 08.12.24up
「遊 脇道」Act.32
- 08.12.24up
「遊 脇道」Act.33
- 08.12.24up
「遊 脇道」Act.34
- 08.12.24up
「遊 脇道」Act.35
- 08.12.26up
「遊 脇道」Act.36
- 08.12.26up
「遊 脇道」Act.37
- 08.12.26up
「遊 脇道」Act.38(とりあえず完結ですが、「澱」へ続きます)
- 08.12.26up
「澱」 (「遊 脇道」完結話)
- 08.12.26up
- (「脇道」のロイVer. これで「脇道」の本編は終わりになります)
「寥」 (「遊 脇道」 番外編 エドロイ)
- 09.1.7up
- (「幻」の割愛部分)
「仕」 (「遊 脇道」番外編 エドロイ)
- 09.1.7up
- (駅前相談するセンセイ)
「擦」 (「遊」番外編? エドロイ?←聞いてどうする。)
- 09.1.7up
- (新婚さんイベント♪)
「誤」 (「遊 脇道」番外編 エドロイ)
- 09.1.7up
- (ある日税務調査が…)
「加」 (「遊」番外編 エドロイでもどっちでも)
- 09.1.7up
- (本編に入れ忘れた生協の小ネタ)
「罪」 (「遊 脇道」番外編)
- 09.1.7up
- (そして今2人は)
「問」 (「遊 脇道」番外編 エドロイ)
- 09.1.7up
- (そして今2人はその2)
「策」 (「遊 脇道」番外編 エドロイ)
- 16.12.29up
- (あの夜の男は)
「射」(「遊 脇道」番外編)
- 17.1.19up
【その他 ロイ受】
「戯」 (ブラロイ)
- 09.1.7up
- (ロイにホムンクルスと知られ、別れを告げるブラッドレイ)
「蓮」 (キンロイ)
- 09.1.7up
- (イシュヴァールにて。意外にほのぼのかと…。)
「痴」 (エドロイ)(単発)
- 09.1.7up
- (淫乱ロイの純情)
「羞」 (エドロイ前提ハボロイ)(「痴」シリーズ?)
- 09.1.7up
- (「痴」の続編。エドを愛しているロイだが、ハボに…。いや、ハボは被害者なのですが。)
↑
- 上下につながりはありません
↓
「紅」 (エドロイ)
- 09.1.7up
- (久しぶりに司令部に来た兄さん)
【単発 ロイエド】
- (焦れたロイにレイプされるエド。18禁のレイプものですんで、ご注意下さい)
「赦」 Act.1
- 09.1.7up
「赦」 Act.2
- 09.1.7up
【単発 ハボロイ】
「憂」
- 14.10.16.up
- (ロイとハボックの阿呆らしいすれ違い)
「今更」
- 09.1.7up
- (自分の想いに気付くロイ)
「蜜」
- 09.1.7up
- (恋人になった後。エロシーンばっか)
「背」
- 09.1.7up
- (ハボの背中に惹かれるロイ)
【「錯」シリーズ】
- ハボロイオンリーです。
イシュヴァールでの経験がロイに与えたものは…。
- 今はなき某数字SNSで、2007年9月から書いていたものです。
「錯」 Act.1
- 09.1.7up
「錯」 Act.2
- 09.1.7up
「錯」 Act.3
- 09.1.11up
「錯」 Act.4
- 09.1.11up
「錯」 Act.5
- 09.1.12up
「錯」 Act.6
- 09.1.16up
「錯」 Act.7
- 09.1.16up
「錯」 Act.8
- 09.1.17up
「錯」 Act.9
- 09.1.17up
「錯」 Act.10
- 09.1.18up
「錯」 Act.11
- 09.1.20up
「錯」 Act.12
- 09.1.21up
「錯」 Act.13
- 09.1.24up
「錯」 Act.14
- 09.1.27up
「錯」 Act.15
- 09.1.29up
「錯」 Act.16
- 09.2.1up
「錯」 Act.17
- 09.2.6up
「錯」 Act.18
- 09.2.12up
「錯」 Act.19
- 09.2.15up
「錯」 Act.20
- 09.2.20up
「錯」 Act.21
- 09.2.26up
「錯」 Act.22
- 09.3.9up
「錯」 Act.23
- 09.3.13up
「錯」 Act.24
- 09.3.20up
「錯」 Act.25
- 09.3.26up
「錯」 Act.26
- 09.4.7up
「錯」 Act.27
- 09.4.21up
「錯」 Act.28
- 09.5.6up
「錯」 Act.29
- 13.5.21up
「錯」 Act.30
- 13.5.22up
「錯」 Act.31
- 13.5.23up
「錯」 Act.32
- 13.5.26up
「錯」 Act.33
- 13.5.31up
「錯」 Act.34
- 13.6.2up
「錯」 Act.35
- 13.6.17up
「錯」 Act.36
- 13.6.19up
「錯」 Act.37
- 13.6.26up
「錯」 Act.38
- 13.7.11up
「錯」 Act.39
- 13.7.14up
「錯」 Act.40
- 13.7.19up
「錯」 Act.41
- 13.7.27up
「錯」 Act.42
- 13.8.13up
「錯」 Act.43
- 13.11.22up
「錯」 Act.44 (完結)
- 13.11.26up
「証」 (『錯』番外編)
- 13.12.28up
「聴」 (『錯』番外編)
- 最終話後、ツケを支払に行くロイ。
Vol.1
- 17.1.7up
Vol.2
- 17.1.7up
【瑠】シリーズ
- 【注意書きです】
これはいつものロイエドロイと、また原作とも異なるパラレルのロイエドロイSSです。
(すみません!最初間違えて『ロイエド』と書いてましたが、ロイエドロイです。)
原作またはアニメ設定以外受け容れないと言う方はお読みにならないで下さい。
最初は「人魚」のタイトルでしたが、後に「瑠」にしました。
「瑠」 Act.1
- 16.12.30up
「瑠」 Act.2
- 17.1.1up
「瑠」 Act.3
- 17.1.3up
「瑠」 Act.4
- 17.1.11up
Gift
- 頂き物など
取調室にて
-
ヒューズ×ロイ from 志乃さま
give me more
-
ヒューズ×ロイ from 志乃さま
> 【遊 シリーズ】 >
「遊 脇道」(エドロイVer.)
> 「遊 脇道」Act.8
「遊 脇道」Act.8
08.12.21up
男が起きあがろうとした。
「どうした!?」
躰を支えながら聞く。
「トイレに行ってくる。」
ああ。そうか。
「歩けるか?抱いて行こうか?」
支えた方がいいのかな。
「いや。もう一人で大丈夫だ。
センセイ。なにか飲む物を作ってくれないか。
ああ。さっきのがまた飲みたい。」
それほど危なげなく歩いているから
「わかった。なんかあったら呼べよ?」
リビングから男を送り出してオレはキッチンへ向かった。
まだ喉が痛むのかな?
そろそろ出来上がる(っつってもたいして時間のかかるもんじゃないが。)頃にようやく男が戻ってきた。
やっぱりつらかったのかな。
支えて行けばよかったな。
「大丈夫か?」
またサラダボウルにショウガ湯を入れてソファに戻る。
「ああ。」
横たわらずに座って男がそれを受け取った。
冷ましながら時間を掛けて飲み干し、空になったボウルをオレに渡して
「センセイ、ここに座ってくれないか?」
自分の隣をぽんぽんと叩く。
「あ?膝枕でもしろってか?」
「ん。」
オレは笑ってソファの端に腰を降ろす。
男の躰に手を添えながら頭を膝に乗せた。
男が深い溜め息をついた。
「このまま眠ってしまってもいいかね?
脚が痺れるようならいつでも抜いてくれたまえ。」
そうだな。もっとこいつは眠った方がいい。
「ああ。解った。ここにいるから安心して寝ろよ?」
男の髪を撫でながら言う。
「あ、髪触ってない方がいいか?」
「いや。とても気持ちがいいよ。
…いつでもやめていいから。」
それまでは…。
と囁くように言って男は瞳を閉じる。
オレは黙って男の髪をそっと撫でながら、こいつが瞳を覚ますまでずっと膝枕をしていようと思った。
こいつが目覚めて最初に見るモノがオレの顔であるように。
何時間経ったんだろう。
すでに窓からの光は薄くなり始めた。
こんなに深く長くこいつが眠るとは思わなかった。
それほどのダメージを受けているのかと思うと本当に申し訳なくなる。
朝にスープとパンを食べただけで腹が減らないんだろうか。
こんこんと眠る様子にちょっと不安になった。
…生きてるんだよな?
そっと鼻に指を近づける。
ああ。よかった。息をしている。
生きてる。
『生きて居る意味がない』と言ったこいつ。
オレがいないと生きて居る意味がないと。
そんなことを言う人間だと思わなかった。
いつも自信に溢れていて、仕事は…サボリ気味らしいけどそれでも知識が豊富で。
きっと現役の税理士よりも調査官よりも、ずっと実務の知識を持っている。
オレは日々のお客さんの仕事に追われがちで、勉強の時間があまり取れていない。
それでいいとは思ってないけど、どうしても時間が足りない。
そんなオレにいつも税法が変わったり、届出が必要だったりすることをこいつはタイミング良く教えてくれる。
なんでそんなにオレの仕事の内容を知っているのかと不思議に思ったことが何度もある。
でもそれは税務署側が調べようと思えば簡単に知ることのできるもので。
それはこいつの余力でなされていると思っていた。
でももしかしたら、こいつはオレのためにオレに必要な知識を持とうとしてくれていたんじゃないだろうか。
だって税務署長にまでなったら調査に行くわけでも無し。
当たり障りのない程度に改正税法を理解していればいい訳で。
少なくとも届け出や実務のことなんて必要ない。
…オレのお客さんに必要な届け出を提出期限内に教えるなんて、一件一件お客さんの申告状況まで全部詳しく調べなきゃ出来ないことだったんだ。
そんなことにもきちんとは気付いていなかったけど。
どれだけの時間を掛けて、オレが仕事をしやすいようにと心を砕いてくれていたんだろう。
「それほど…あんたにはオレしかないのか?」
静かに眠り続ける男に問いかける。
どうしてなんだろう。
オレしか必要のない人生なんて、オレには考えられない。
一人の人間しか必要がないなんて。
オレは家族も友人も仕事も大切で。
もちろん今はこいつも大切だ。
人間、生き甲斐って言うモンがあるだろう?
オレはアルに言わせると『仕事バカ』なんだそうだ。
親父が税理士だったからこの仕事に就いたってことは否めないけど、それでもこの仕事に満足している。
解らないままでは余計に税金を取られてしまう人に、最低限の税額を導き出す。
会計の知識を持たないけれど、志を持って仕事を始めた人の手伝いをする。
本当なら無償でもいいから、NPO法人(特定非営利活動法人。ボランティアの延長のような団体だ。大体において人の役に立とうという団体は貧乏だ。)なんかの相談に乗りたいと思っている。
それはもっとオレが努力をして時間の調整をつけてからとは思っているが。
その位、オレは時間が足りないと思うほど人生に生き甲斐を感じているけどな。
オレしか要らない人生。
それはとても哀しいモノなんじゃないだろうか。
オレがいなかったらこいつはどうするつもりなんだ?
本当に死んでしまうつもりか?
…どうしてそんな風に思ってしまっているんだろう。
陽が落ちて、雲が鴇色に染まる頃にようやく男は瞳を覚ました。
「ん…。」
まだ覚醒しきっていない男に
「起きたか?具合はどうだ?」
声を掛けた。
「は…センセイ?」
「ん。オレだ。
よく寝てたな。腹減ってないか?」
「暗いな。何時だ?
ずっとこのままでいてくれたのかね?」
部屋を見渡して男が言う。
すっかりいつもの様子だ。
よかった。
額に手をあてると熱は下がっている。
やっぱりさっきの不安定な様子は熱のせいだったみたいだ。
オレはジーンズに付けているこいつから貰った時計を見た。
「んー。5時ちょい前だ。
やることもなかったからな。あんたの寝顔を堪能してたよ。」
その時初めて脚が痺れていることに気付いた。
「途中で放り出してくれてかまわなかったのに。
…でも嬉しいよ。ありがとう。
そういえば腹が減ったな。」
「今なんか作るから。食べたいモンとかあるか?」
「センセイが作ってくれるものならなんでも。
面倒ならデリバリーでも構わないが。」
笑って言う表情が本当に安定してる。
人間、熱があると不安になるしな。
まして昨日あんなことを体験したから、言動がおかしかったんだろう。
オレは安堵した。
あり合わせの材料(それでも結構な量をアルが買い足してくれていた。)で夕食を作り、男の体調を考えると酒を飲むわけにもいかずそのまま眠ることにした。
「センセイ…。」
ひたりと躰を逢わせて抱きしめているオレに、囁く声が聞こえた。
「ん?どした?」
男の髪を撫でながら聞く。
「君はこのまま眠れるのかね?」
あー。難しいかもな。
今日は特に頭も躰も使ってないし。
「あんたは眠れそうか?」
でもこいつが眠れればそれでいい。
一日や二日寝なくったってオレは死にゃあしない。
「さっき随分寝てしまったからな。どうだろう?」
そういや結構長いこと寝てたな。
こいつを眠らせるには…。
どうすりゃいいんだ?
イかせるか。
アレは体力を使う。
「眠らせてやるよ。」
言うやオレは男のパジャマのズボンと下着をいっぺんに引きずり下ろす。
「…!センセイ!?」
起きあがろうとする躰を左腕で押さえる。
「無理はさせないから大丈夫だ。
横になってろ。」
告げてオレは男のモノを舐め上げた。
「!っ…ぁ!セン…!…んッ!」
ビクビクと揺れる躰と舌で舐る毎に張りつめていくこいつのモノが愛おしい。
「ん…ぁ!も…。」
そろそろ限界のようだ。
内腿が痙攣し始めた。
「いいよ。イけよ。受け止めてやるから。」
口を離して言い、また咥え込む。
舌を茎に匍わせながら、唇を細めて吸い込み刺激を強くした。
「ぁあ…っ!…ん…ぅっ!」
先端を尖らせた舌で突いた途端、口中に苦みが広がる。
でも昨日みたいに喉の奥じゃないから苦しくはない。
オレはわざと男の耳近くに顔を近づけてから
ごくり、と音を立ててそれを飲み干した。
…その後盛大に咳き込んでしまったのは失態だったが。
でもよぉ?
コレ、喉にからまるよな?
まだ咳をしてしまうオレに
「センセイ。君も…。今慣らして来るから。」
言うやベッドを離れようとする男の腕を掴んで引き倒す。
「…な。口でして?」
こいつの躰が心配で言ったんだけど
「私の躰より、口の方がいいかね?」
不満そうに言われた。
「バカ。熱出したばっかだろ?無理すんな。」
オレは仰向けになり、上半身をおこして背中に枕を入れた。
そして更に男を引き寄せてその耳元に
「な。オレのを咥えてる顔を見せて。
それだけでオレ、イけそう。
…あんたの躰には敵わないけどな。」
注ぎ込むように囁く。
面白いくらいに顔を紅く染めて
「君がそれでいいのなら。」
瞳を逸らして男が言う。
なんてかわいいんだ。
「ん。なあ。そのかわいい口で…して?」
ちゅぷり、と音を立てて男がオレのモノを咥える。
言った通り、瞳を開いてオレを見つめて。
ちゃんと顔を見せる従順さがたまらなくかわいくてオレを煽る。
もうすぐにでもイってしまいそうだ。
「かわいいな…あんた。…ッ!…いいよ…ぁ!」
オレのモノに絡む舌が、昨日艶めかしいと思ったことを思い出して更に感じてしまう。
「ぁ…!ぃ…気持ちい…っ!ぁ…っ!」
うわあ。オレ、ヘタレ。
も、ホントにイっちゃいそう。
こういう時って、もっと持たせないとダメだよな。
なんて思う余裕もなくて。
「っ…。あ!…離せ…!」
はい。
離してくれなかった男の口ん中にヤっちゃいました。
いや、さっきオレもこいつのを飲んだからイーブンと言えるかも知れないけど。
でもさぁ!
『抱く』立場としての男のプライドってもんがあるじゃんか!?
有る…だろ?
ありませんか?
同じように咳き込む男に感じるのはかわいさと愛おしさだけなんだけど。
でも、なんだかしらけたこのままに眠る気にはなれない。
オレは男を引き寄せて押し倒した。
「! セン…」
「好きだ!ロイ!」
なんてストレートなオレ様。
「も一度イけよ。まだ眠れないだろ?」
もう熱もひいたから大丈夫だよな?
「え…!?センセイ!?」
大丈夫じゃないかな?
「躰、きついか?
ならやめるけど?」
聞いたオレに
「いや。大丈夫だが。…どうして?
私はさっきイったけれど?」
不思議そうに言う。
「そんであんたは眠れるのか?
昼間あんなに寝てたのに。
…イヤじゃなかったら、も一度イけ。」
「私…の為か…?そんなことはしなくても大丈夫だ。
…センセイ?」
オレを気遣うこいつなんてイヤだ。
オレは強引に男のモノに舌を匍わせて咥えながら男の後孔に指を匍わせた。
「…んッ…ぅ!…や…センセ…!」
オレは男のモノを離し、その顔に自分の顔を近づけた。
「イヤか?オレのは挿れない。
…指だけでもイヤだったら言え。」
聞いたオレに帰ってきた来た言葉は
「ぁ…厭じゃ…ない。センセイのもの…欲し…!」
バカなヤツ。
まだこんな躰にオレのモノを欲しいなんて考えられないクセに。
それでもこいつの言葉はオレを喜ばせる。
ベッドサイドの棚から潤滑剤の入っている瓶を取り出して指に絡ませる。
昨日オレはこいつを感じさせられると思ったが、それは勘違いだったようだ。
でも思った通りの場所でこいつは感じた。
こいつの中の『ある』一点で。
ぬるぬるする液体を絡ませた指を男の後孔に差し入れた。
途端に強張り痙攣する躰に構わず、オレの指が覚えている場所に進んでいくと面白いように躰が跳ねる。
男のモノを咥えながら、男が感じるその一点を指先で掠めた。
「ぁ…っ!センセ…!も…!」
強く男の茎を吸い上げ、後孔の男の最も感じる所を指で突く。
「ん…ぁぁっ!…ぁ…くッ!」
耳を蕩かすような甘い声をあげて男が達する。
オレは深い深い満足感を抱いていた。
未だに荒い息を吐く男に
「なあ。感じた?」
オレは聞く。
「…ん…。感…じた…よ。」
絶え絶えに返される言葉がかわいくて嬉しい。
「よかった。な、もう眠れ?
オレがずっと抱きしめているから。」
オレの言葉に
「ん。ずっと…いてくれる…な?」
くたり、と力をなくした躰は眠ったのだろう。
穏やかな夢を見てくれればいいな。
男を抱きしめて、オレもゆったりとした眠りに落ちていった。
Act.9
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